- できるかぎり、盲ろうの子どもと一緒にいるようにしましょう。
重度の情報障害である盲ろう児にとって「人」こそが最大・最良の情報であり、世界への窓口です。
盲ろう児が、自力で人を捜し出せる工夫をしましょう。そうでないと、盲ろう児は、いつも他者の恣意で孤独のなかに閉じこめられたり、突然人に囲まれたりする存在になってしまいます。
- 互いの感情が分かるよう、積極的に子どもの感情を受け止め、あなたの感情を伝えましょう。
色々な感情がわき起こる体験を、子どもと豊かにもちましょう。
盲ろうの子どもにもっとも伝わりにくい感情の一つが、周囲の人の感情です。また、自分が表した感情も、受け手がいないと流れ去っていってしまいます。
自分の気持ちが表現でき、他の人の気持ちもわかるようにかかわりましょう。
そのためには・・・
- 子どもの気持ちや感情を受け止めていることを、あなたの体で子どもに伝えましょう。すこしずつ、わかりやすい身振りで感情に名前をつけていきましょう。
- あなたの気持ちや感情も体全体で、子どもに分かるように伝えましょう。
- 盲ろうとは重複の情報障害です。
沢山の情報が抜けおちたなかで、多くのことが唐突に起きる不安な世界にいます。基本的に必要な情報を、分かりやすく、一貫して伝えましょう。
- そばにきたことをきちんと伝えましょう(腕を軽く叩く等の合図を決めて)。
・人が近くに来たかどうかも分かりにくいのです。
- 全員、自分が誰なのか、名前の印や合図をきめて、毎回会った時に必ずそれを使って名乗りましょう。
人の区別は難しい。色が見える場合は、同じ色の服を着ることも名前になります。
・腕輪―母、長い髪―父、・・・等
- 次の活動や行く場所を必ず予告しましょう。見通しと安心に必要です。
・プールに行こう=水着の実物、泳ぐまねの身振り等
- 子どもから離れるときは必ずそれを伝えてから離れましょう。
・近くにいるのに無視されているのか、本当にいないのか等が分かりません。
- 子どもに何かを指示するとき、離れるとき、その「理由」も伝えましょう。
これをすると、物事の因果関係の理解が進み、行動の切り替えを納得して行いやすくなります。
・例1
「上着を着て」と服を子どもに触らせるだけだけでなく、「寒いから(体を震わす)」あるいは、「私も着てるから(あなたの服を触らせる)、この上着を着よう。」と伝える。
・例2
そばを離れる合図の時に、あなたが買い物かごを持っているところを触らせる。帰ってきたら、買い物かごが食べ物で一杯になっているところを触らせる。
- 活動の始まりと終わりは、情報が少ない盲ろう児には分かりにくいので、それが明確に分かるように、はっきりした合図を決めて子どもに伝えましょう。
- 盲ろうの子どもの「ために」してしまうのではなく「いっしょに」何でもしましょう。
情報障害のため、自分で体験して初めて、周りで起きていることが理解できます。
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